7月30日に建築家の才本謙二さんをお招きして、「空き家・古民家の課題と魅力」をテーマにトークイベントを開催しました。才本さんは、有限会社才本建築事務所代表取締役、兵庫ヘリテージマネージャー代表、篠山市まちなみアドバイザー、内閣官房「歴史的資源を活用した観光まちづくり連携推進室」専門家アドバイザーをお務めで、日本を代表する古民家再生事業を担う建築家でいらっしゃいます。
今回は、特に才本さんご自身が関わってこられた篠山市の事例紹介がありました。古民家再生を担う支援組織「NPO法人町なみ屋なみ研究所」の買取再販・復興支援・賃貸改修サブリース・起業支援・移住者支援などの取組や、「兵庫ヘリテージマネージャー」や次世代職人集団「若匠」の人材育成の取組、中間支援組織「一般社団法人ノオト」の古民家再生手法、資金調達を担う「株式会社ノオト」などです。参加者からも多岐にわたる質問が寄せられ、空き家のある地域全体の調整に関すること、建築基準法と古民家再生手法、採算の取れる事業規模、古民家再生における当事者の「覚悟」等です。最後は才本さんから「各地域に素晴らしい活動家もメンバーもいらっしゃるのに空き家が動かないという場合、みなさんリスクを背負いたくない、では誰がするのかというとそのみなさんしかいないという場面に出会います。一人では難しいかもしれませんが、何人かで覚悟を決める。誰かやればいいというのではできません。古民家に限って言えば、これは生きものと一緒で、人間が使わないとあっと言う間に死んでしまいます。人間でいう空気を吸う、血流がめぐらせることがなくなるとたちまち壊死していまします。常に誰かの手が加わっていないと生きていけない。地域みんなで大切にしていきたいですね。」というメッセージをいただきました。
参加者は古民家オーナー、まちづくり事業者、行政の運営する空き家古民家担当者、建築事業者、建築を学ぶ学生と幅広い年代となりました。空き家・古民家には所有者や立地する地域、協力者、改修予算、将来の用途など、一つとして同じものはありません。それぞれに細やかに対処しながら、地域とともに古民家再生を実践して来られた才本さんだからこそ、これから当事者となって空き家・古民家事業を担っていこうと思う参加者へのエールが力強く感じられました。
ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。