2012年8月3日(金) 晴れ
福知山の市民の方から
「無農薬水田の機会除草をそちらでおこなわれているとHPでみたのですが、その効果のほどをうかがったり田んぼの視察はできますでしょうか」
という相談を受けたのが始まりです。
水稲栽培には無縁、サル調査一筋の布施が、無農薬栽培水田の機械除草について、昨年度から篠山市内で調査研究をされている庄司浩一先生にレクチャーしていただくことにしました。
「ちょうど温度計を回収にいくからそのときに案内しますね」
そういって、庄司先生に早朝から篠山市・真南条上の圃場を案内していただきました。
庄司先生は農業機械学・農作業学・計測工学が専門です。
「これが、機械除草1回だけ、ここが2回、そしてここが3回したところです」
そういって、雑草の生え具合を確認します。
「今年は2日遅れがきいたって、普及員さんがいってたけど、ほんまやなぁ」
これはどういうことかというと、本来は田植えをしてから5~7日で機械除草を始めるのが効果が高いそうですが、稲の根づいたころを見計らって田植えから10日後に機械で除草をする予定だったが、その予定から2日遅れてしまったことで、すっかり雑草が根付いてしまった、ということです。たった2日でそんなに違うんですねぇ。
「米ぬかをまいたところとそうでないところがあるんだけど、あんまり違いはないかなぁ~」
そういって、田んぼの中に入った庄司先生。
「おや、田んぼの中に入ってみたら、違いが歴然ですね~。雑草の足へのまとわりつき方が違う」
米ぬかをまくと雑草がはえにくくなるそうです。
やだ、私、長靴はいてきてないから、田んぼの中はいれないじゃん!
う~ん、だめだめです(--;)。
「水をはる深さも雑草の生え方に影響しているんですよ。7cmくらいではだめで、12cmくらいの深さまで水をはると、雑草もはえにくいんだよね。それと、有機水田に特徴的なトロトロ層があるほうが、草がぬけやすい」
そういって、田んぼの草の生え具合を楽しそうにみています。
今度は、くさり除草をしているという丹波たぶち農場さんの田んぼを見に行ってみることにしました。
田んぼについて庄司先生が叫ぶ。
「こりゃすごいな。草がはえてへん」
よくみるとたしかに、コナギがほとんどはえていません。ところどころヒエが生えているところもありますけど、それ以外は畔付近を除いて株の間がすっきりしているのがわかります。
「5~7日に一回はくさりをつけた機械を走らせていました」
と、丹波たぶち農場の田淵さんが教えてくださいました。1週間に1回…。すごい。
もちろん、前年度に栽培していた作物とか、無農薬栽培を始めた時期によって、種子の残り具合は異なり、来年も同じように除草効果が期待できるかはわかりません。ですが、くさりをつけてこまめに機械を走らせる、これだけでも除草ができる、それで無農薬のお米が食べられるのか、と思うとあらためて農作物は知恵と労力の結晶だなと感心しました。
【無農薬水田の除草を促進する3つの取組】
・米ぬか
・深水
・くさりでこまめに走る
ほんの少し、機械除草にくわしくなれた1日でした。うちはこんな除草の仕方しとるよ、などの情報がありましたらどしどしお寄せいただければと取材にうかがいますので、よろしくおねがいします。
布施未恵子
(写真は真南条の田んぼの様子です)