2013年1月26日(土)晴れ。
篠山市西紀南地区で行なわれてきた実践農学入門がいよいよ最終回を迎えました。
今回は、神大生は40名、東雲高校生4名、西紀南地区まちづくり協議会や受入農家さんら約50名と総勢100名近くの参加でした。
1年を通して行ってきた現地実習、最終回のメニューは郷土料理作りと交流会兼成果報告会です。
郷土料理作りでは、5月初めての現地実習の際にもお世話になった『いずみ会』のメンバーご指導の元、黒豆を使ったお寿司、しし汁、おなますづくりに挑戦しました。
さっそく各班に分かれての作業を始めましたが、何分料理に不慣れな学生達、なかなか思うように作業が進みません。しし汁班、酢飯班、なます班、お寿司班それぞれに忙しく時間が過ぎていきます。
さて、今回のお寿司は普通のお寿司ではありません。挑戦したのはなんと「長巻寿司」文字通り長い巻きずしです。会場の幅いっぱいを使って参加者が一列に並び、息を合わせて巻いていきます。
ずらっと並べた机の上に、サランラップ、巻き簾、アルミホイルを並べ、その上に、海苔、酢飯、具材を準備。全て隙間の無いように、慎重に…。殆どの学生がお寿司づくりは初めての経験です。手間取りながらもなんとか準備がかんりょうしたところで、『いずみ会』の会長小林さんの「1,2,3!」の掛け声がかかります。参加者全員で息を合わせての共同作業。タイミングがずれると巻きずしが途中で切れてしまう緊張の一瞬!
結果、見事に約16mの長巻寿司×2本が完成し、歓声があがりました。
巻きずしが完成したところで、交流会、成果報告会の始まりです。
1年間お世話になった農家さんや地域の方と班ごとに分かれ、食事をしながらこれまでの1年間を振り返りました。
各班の代表にそれぞれ、1年間で学んだこと・感想・お礼を述べてもらいました。
感じたこと、学んだことを自身の言葉で語っていく学生達、「農業を知っているつもりで何も知らなかった」「体験して初めてしんどさ厳しさが理解できた」「食への感謝を覚えた」「生の声、現場を知れたことが何より勉強になった」など、座学ではなく、実習という体験を通して始めて理解できたことが多くあったようです。中には「野菜嫌いがなおった」という声もありました。そして皆口々に農家さんへの感謝と地域への愛着を述べていました。
特に、地域の祭りやイベントへ参加した学生は地域への愛着が強く、今後も何らかの活動を継続したいと希望しているようです。
限られた時間の中では、なかなか農業のすべてを学ぶことはできません。農作業の邪魔にしかならなかった場面も多かったと思います。受入農家さんにもお渡しした学生達のレポートからも、自分達の無力さを痛感したという声が聞かれました。その中で、農家さんの丁寧な指導、温かさに触れ、感謝をともに、農業農村の厳しい現実など多くのことを考え、学びとることが出来たようです。
この1年間の実習を通して学生達が得た現場からの「学び」が今後の生活において、どのように影響していくのか楽しみです。
本当に1年間お世話になりました。
藤原ひとみ