2017年12月30日(土),ラボの新しい試みとして「長男の学校〜どうすりゃいいんだ??山,墓,畑〜」を開催いたしました。年の瀬も押し迫ったこの時期に果たして人は集まるのだろうかと企画者としては心配もしましたが,フタを開けてみれば総勢35名もの方がご参加してくださり,予想を上回る盛況となりました。篠山市,丹波市の丹波地域から18名。それ以外の方が17名。帰省中のご子息やご家族の方と参加される方もいらっしゃるなど,普段のラボにはない年末ならではの風景も見られました。
これまでラボでは,里山の資源を活かした仕事づくりをテーマに篠山イノベーターズスクールを開校するなど,里山の資源がある大前提(存在するけどうまく活用できていないことが問題)で物事を捉えていました。しかし,農村地域では急速な高齢化が進む中,いまある資源を適切に未来に継承していかなければ,本当の意味で『田舎は何もない』状況になりかねないと,この1年で思うに至りました。そこで,頭の片隅では気になっているけれど,どこに相談に行けばよいかが一般の人には非常に分かりにくい,山林や田畑,空き家など,ともすれば負の遺産と思われかねない資産の管理について,まずは基本的な事項を押さえておくことを目的に今回のセミナーを企画いたしました。
1コマ目の「山林,田畑,空き家」では,「そもそも山の境界がどう決められているか?」や農地転用の考え方などを,2コマ目の「相続」では,「相続がいつ,どこで発生するか?」や相続の仕方,遺言の種類などについてを,行政書士の谷水雄一先生から説明いただきました。また,3コマ目の「お墓,先祖供養」では,善導寺副住職の加藤善朗先生から,埋葬の歴史や現在のお墓の種類等についての解説が行われました。4時間以上の会にも関わらず途中退出者も見られず,質疑応答も積極的に交わされ,懇親会でも講師と参加者や参加者同士の交流が見られるなど,非常に有意義な時間となったように思います。
今回の開催において,多くの人にとって「資産の継承」は関心の強いテーマであることが確認できました。これまでの5年間は,地方創生の大号令の下,「移住定住」や「起業」が地方自治体の主要なテーマであったと感じますが,この先5年は「資産の継承」「事業の継承」がローカルのメインテーマになるのではないかと思います。今後も継承に関する企画を継続し,少しずつ深掘りしていければと思いますので,2018年もラボの取り組みをよろしくお願い申し上げます。
コーディネーター
ポン真鍋
谷水先生のお話の様子
加藤先生のお話の様子
懇親会の様子