第9回目となるラボ・オープントークでは、島根県浜田市から三浦大紀(ひろき)氏をお迎えし、『地域企画会社の起業 〜 Uターンからビジネスを形にするまで〜』のテーマのもと、ゲスト講演と意見交換を行いました。
三浦氏は、国会議員秘書や国際NGOで活動したあと、2011年の秋に地元島根県浜田市にUターンしました。隣町のNPOのスタッフを経て、地域企業のブランディングや商品開発、プロモーションなどを行う地域密着型の企画会社を起業するに至りました。会社では、島根の選りすぐりの手仕事を集めたギフト事業「YUTTE」やコワーキングスペース「enn」などの自主事業のほか、地元ローカルスーパーのブランディングや過疎集落のお米の商品企画、島根県の窯元を巡る旅のプランニングなど、取り組みは多岐に渡ります。
三浦氏からは、それぞれの活動をどのような想いで形にして来たか、一つ一つを非常に丁寧に事例紹介していただきましたが、どの取り組みにも共通するのが「関わることを、おもしろく」という想い。まちに関わることが楽しく、面白くなるように、地域資源を編集し、ビジネスを通して地元の情報を発信していきます。そんな三浦氏がブランディングを考える際にとても大切にしているのが、相手の意見を聞くこと。相手の意見にしっかりと耳を傾けることで、本当に大切なことが浮かび上がって来ます。クライアントは本当の問題を把握していない場合もあり、対話を重ねる過程で、当初の依頼内容とは変わることもあるそうです。「自分自身は何屋か分からないと思われていて、それによって多くの人が悩み相談に来る感じ」と話す三浦氏ですが、その誠実な姿勢が人を惹きつけるのだと感じました。
講演の終盤には、政治の世界からのまちづくりに関しても言及。昨年行われた浜田市議会議員選挙では、過去最多となる圧倒的な得票数でトップ当選しましたが、やはり自分たち世代が政治に関わることが必要で、そのためには自分が政治の世界に入ることで、周囲の仲間が政治に”関わることが,おもしろく”なる、という考えを披露してくださいました。
その後は、参加者との間で活発な意見交換。ビジネスと政治の両面からまちづくりに取り組む三浦氏ですが、さまざまなアイデアもさることながら、一つ一つの話題に対しして、丁寧に説明や対話を繰り返す姿勢が非常に印象に残りました。短い時間でしたが、とても刺激と学びの多い充実した時間となりました!
関わることを、おもしろく
ギフト事業の紹介
一つ一つ丁寧に説明くださる三浦氏