2012年8月30日(木)晴れ。
今日は、福知山市の兼業農家である若いご夫婦が篠山市にこられました。現在取り組んでいる、米の無農薬栽培で雑草処理に課題を抱えており、解決のためのヒントを探るという目的で篠山FSを訪ねてこられ、篠山市内で無農薬栽培をされている以下の農家さんを紹介しました。
■ 機械除草の実験圃場をもつ真南条上営農組合
篠山市真南条上営農組合がおこなっている特別栽培米の田んぼを視察。除草機械もちらっとみさせていただきました。
■ 手作り除草機(くさり)を使っている丹波たぶち農場
篠山市川北地区の「丹波たぶち農場」を視察。手作りの除草アタッチメントを機械にとりつけ、田んぼ内を走るという方法です。こちらでは、田んぼの視察だけでなく、施設の説明や、米の販売方法などのお話しもうかがいました。米を乾燥・精米する際にでる「ほこり」の処理について話し合いをされていました。大量の米を処理するがゆえの悩みであり、地域からの苦情がでないように水でほこりが飛ばないように、これも手作りの装置を作っておられました。たぶち農場には工夫がいっぱいです。
■ 自然のサイクルにまかせる(株)めぶき農房
篠山市北地区のめぶき農房・酒井裕行さんの田んぼと畑を視察。手作りの除草グッズを人力で田んぼ内に走らせ、除草しています。除草が成功している田んぼから順にみせていただきました。コナギがほとんど生育していないきれいな田んぼから、水はけがよいためにクサネムが繁茂している田んぼまで、いろいろありました。前にもこのHPでレポートしたように、深く水をはることが重要なようです。また、除草にもっとも効果がある薬は「テデトール(手で取る)」であることも教えてもらいました。酒井さんは「草が生えるのにも理由がある」と考えておられ、雑草の種類や状態をみることで、農薬漬けの状態から無農薬の田んぼへとどう変化しているのかを知ることができるのでは、と教えてくださいました。
- 山間で無農薬田と畑を管理する
最後に、酒井さんが今年から取り組まれている、冬期湛水し無農薬で栽培している田んぼを紹介していただきました。イノシシの害がひどく、しっかり柵が設置されていました。集落を囲むシカ柵も設置されたようですが、それでもまだ里に出てくるようです。畑には、エゴマと青とうがらしを植え、サルに食べられない作物を栽培する形で、猿害を回避していました。栽培された米の販売計画や、畑でとれたエゴマを使った加工品の開発をレストランのオーナーとともにおこなっている話を聞き、集落内外の飲食店舗と協力しながらの農業スタイルに、今回視察されたご夫婦は興味をもたれているようでした。
「書籍やインターネットでも勉強できるが直接話を聞くことでパワーをもらえる」とのことです。この若いご夫婦が住んでいらっしゃるところは限界集落で、近隣の農地を含めて集落の農業を支えておられます。自分の集落に閉じこもることなく外とつながりながら農業をしているお話しぶりから、とても明るい印象を受けました。
こういった元気な農家さんが増え、いつでも相談されたときに情報を提供できるよう、篠山でがんばっている農家さんをもっと知りたいと思いました。
視察に協力してくださったみなさま、どうもありがとうございました。
布施未恵子