2012年7月16日(月)
今回のRural Learning Networkでは,「獣害対策の問題-何を変える必要があるのか、何をすればいいのか」
をテーマに鈴木克哉さん(兵庫県立大・森林動物研究センター)に話題を提供していただきました。
従来の獣害全般の説明ののち、1)獣害は地域づくりをはじめるキッカケ、2)人をよぶ交流資源として、「獣害対策は延命処置でない!地域再生のスイッチになる!」というアイデアの説明がありました。
そして、
1)効率的な情報伝達の手段
2)まとまりのある集落の見抜き方、生み出し方→モデル集落をつくるために
3)獣害対策と「地域づくり」の連携のアイディア
について会場のみなさんから意見を聞きたいという提案がなげられました。
シカ肉やイノシシ肉を使った料理を楽しみながら休憩し、班ごとに鈴木さんの話題提供および提案に関して話し合ってもらいました。そして、「もっと知りたいこと・疑問・考えたこと」と「アイデア・やってみたいこと」の2つのカテゴリに分けてシートに記入してもらいました。
そして以下のような意見が出てきました。
【もっと知りたいこと・疑問・考えたこと】
・群れとはぐれ猿で対策が異なるのか?
・巻き込むべき地域のレベルをどうするか?
・田舎生まれ育ちなのに周囲の野生動物について学んだ記憶がない
・猪や鹿はだれが殺せるの?
・森林面積に対して野生動物が適正数なのか?
・学生という立場で獣害対策にどのように取り組めるのか?
・獣害の原因は全国共通か?丹波地域特有のものはあるか?
・学生ボランティアの体制はあるが、支援のニーズがあがってこないのはなぜか(獣害になれてニーズとしてあがってこない?)
・メンタル的な被害実態は?
【アイデア・やってみたいこと】
・ふるさと教育としての野生動物学習
・獣害レンジャーをもっとひろげたい
・女性を支援して余剰作物を加工/販売するようなコミュニティービジネスを展開
・電気柵などを安価に設置する仕組み
・個々人ではなく町/村でまとまって対策資材を購入
・柿とり放題のツアー/干し柿講座
・山の幸,木の実などの自然食材を流通させる定期市の確立
・効果的なサル追い道具の開発
これらの意見を受けてみなでディスカッションをおこない、
・やってみたいこと
「地元の親子世代の環境教育としての獣害対策」
「獣害対策としての集落柿とりツアー」
「子どもや学生にも爆竹などを使って対策をさせてみる」
・調べたいこと
「地域の潜在的ニーズを掘り起こす」
・その他
「押しかけていくぐらいので集落にはった方が,入り口は広がるのではないか。切り込む・くさびを打つという戦略」
という意見がでてもりあがってきたところで、残念ながら終了の時間がきてしまいました。
今後は、具体的な実践へとつなげるべく、ダイアログを立ち上げて、但馬の獣害レンジャーの事例を参考にしながら、獣害を資源に変える取組を丹波篠山ですすめていこうという話になりました。
新たなチャレンジのスタートです。興味のある方はぜひ、篠山フィールドステーションまでお問い合わせくださいね。
布施未恵子