外で話声がするのでみてみると、おじさん4人が何やらロビーを物色しています。
「どうされましたか?」
と尋ねると
「兵庫農科大出身なんです」と、おじさま方。
それなら…といって、ステーションにある農科大の写真をお見せすると
「これが、農学部の建物。これは…宿舎やな。こんなにグラウンド小さかったかな。ここで作物育てとった。いや、こっちやろ。」
と、とめどなく話が続きます。
農科大では同じ学年で、なかには寮の同じ部屋で生活をしていたというお二人もいらっしゃいました。
「昔はねー、ようにぎわってたよ。(商店街も)シャッターなんてしまってなかった」
と、話されます。おじさま方が学生だったころの篠山は、今とは全然違うんでしょうねぇ。
「寮は寒くてな、空いてる家とかの木片とかもってきて暖をとったもんや」
「牛を年に2回解体して食べよったなぁ」
写真をみながら昔話に花が咲いています。
「懐かしい写真見れてよかったなぁ。」
そういって、みなさまシシ肉を食べに商店街のほうへ向かわれました。
現在は大阪にお住まいだそうで、リタイアしたのでこうして集まれると伺いました。
おひとりの方が、「フミン酸」を使った土づくりを仕事としていたそうで、篠山でフミン酸使ってみるんやったら、いつでも来るよ、と声をかけていただきました。
違う仕事に就いたあと、もう一度学生時代に戻ったつもりで研究してみるという人生も、もしかしたらありなのかもしれないと、みなさんに出会って考えさせられました。
こうした方々との出会いは本当に嬉しいなぁと思います。
(布施未恵子)